2014_11
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(Tue)23:50

紅楼夢 第三十四回

第三十四回 お妾認定、花襲人


・宝玉を介抱する襲人。宝釵が見舞いにやってくる。今回の事件で薛噃のことを疑う襲人だったが、宝玉は宝釵に気を遣って薛噃が無実だと告げる。

・続いて、侍女のいなくなった隙を見計らって見舞いにやってきた林黛玉。泣きながら宝玉に優しい言葉をかける。

・こちら花襲人、王夫人の呼び出しとあって自ら参上。王夫人は宝玉の様態を聞いて、別の薬を届けさせることに。
王夫人「ところでお前、宝玉が打たれたわけを知っているの?」
先ほど宝釵と宝玉に口止めされていた襲人は、知らないと答える一方、こんなことを話し始める。
「道理から申し上げますと、若様はお殿様に叱られて正解でしたわ。でなければ、今後どんなことをしでかしていたものやら」
「まあ、お前もよくわかっておいでだね! 私があの子をしつけられないのにもわけがあるのだよ。宝玉は体も弱いしおばあ様が酷く可愛がっておられるし…それで私もついつい甘くなってしまったの。ねえお前、言いたいことがあるなら構わずおっしゃい。近頃、皆がお前を褒めているのは聞いていたけれど、まさかここまで宝玉のことを思っていてくれたとは知らなかったわ」
話の勢いか、襲人への好感度が上がりっぱなしの王夫人。襲人も遠慮がちに話を続ける。
「これといって申し上げることはございませんが、ただ宝玉様を何とかして園の外へ住まわせるべきだと思うのです。もう兄弟姉妹の皆様は成人なさっておりますし、若様はあの通りの方ですから、このまま園に一緒に住まわせてもいずれよくない噂が立つばかり。ご用心なさるに越したことはありません」
王夫人、感動の嵐。
「お前、そこまで行き届いた考えを持っていたのだね!こんなにいい子だとは知らなかったわ。これで腹も決まったわ。宝玉はもうお前に渡すことにしますから、どうか心にかけてやってちょうだい」

・宝玉は黛玉のことが気になって仕方ない。晴雯を呼ぶと、使い古しのハンカチを持たせて黛玉の部屋に運ばせる。
黛玉はハンカチを見て、宝玉の日頃からの思いを感じ取った。気持ちが昂るままに、ハンカチへ詩を書きつける黛玉。
書き終わって鏡を見ると、桃色に火照っている自分の顔があるのだった。

・飲み会から戻ってきた薛噃。母と妹が自分を嫌な目で見てきたので、わけを聞けば宝玉のこと。宝玉が打たれたのは薛噃のせいだと母に攻められ、ブチ切れた薛噃は「宝玉をコロス!」とか騒ぎ出す始末。泣き出してしまう宝釵。しょんぼりして翌朝も元気が出ない。途中で林黛玉に会い、いつもと雰囲気の違うことをからかわれてしまうのだった。

次回を待て

小言
宝玉折檻事件の後編。要所で登場人物達の本音が顔を出しており、非常に興味深く読める。それまでに比べ、人物同士の関係性にもはっきりと変化が表れているのに気づく。

気になる人物達
賈宝玉…酷い折檻を受けても、自分を気遣ってくれる黛玉や宝釵への思いやりを忘れない出来た男。だが金釧児への仕打ちは許されねーぞ。
林黛玉…宝玉からハンカチを貰い感動。完全に恋の病にやられてます。
薛宝釵…バカな兄貴に苦しめられている。宝玉に対しては半ば心配、半ばあきれている模様。
薛蟠…宝玉が打たれたのは君の原因ではないのだが、まあ日頃の行いが悪いのだよ。
王夫人…襲人の見識に感動して、彼女を妾認定。単純だな、アンタ…。宝玉を甘やかした云々を襲人へ話している時、何気に史太君を批判してた。
襲人…お妾さんに昇格確定。良かったね…って素直に喜んであげていいもんだか。彼女が宝玉のために良かれと思ってやっていることは、宝玉本人にとってまったくいいことじゃなかったり。宝玉もそんな襲人の気質をわかっているのか、今回黛玉へハンカチを届ける際、晴雯にその役割を命じている。物語の経過を追っていくとわかるが、宝玉と襲人の関係は徐々に悪化の一途をたどっていくのだ。ちなみに、王夫人が宝玉の不義密通を疑った時は真っ向から否定した。第六回でやらかしていたのは一体誰やねん! 根は善良な襲人だけど、やることがいちいち裏目に出まくってるのが哀れ。
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C.O.M.M.E.N.T

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