2015_01
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(Mon)21:26

紅楼夢 第三十六回

第三十六回 おうちの給与明細! 



・金釧児が死んでから、女房たちは自分の娘を奥様付きにしようと王熙鳳に賄賂を送ったりしていた。

・とうの王夫人は金釧児の代わりをいれることはせず、妹の玉釧児の給料を増やしてやる。さらにまた、王夫人は自分が貰うお手当の中から妾に準じる金額を襲人へ出してやることとなった。ただし、当分の間は賈政が許さないだろうと言うことで、お給料のみ妾の扱いに。

・療養中の宝玉のもとへやってきた宝釵。襲人が寝ている宝玉のそばで払子を使い、虫を追い散らしていた。

・宝釵は襲人が仕立てている腹かけの精巧さに感心。襲人が出かけている間、ちょっと刺繍をしてあげる。そしたら突然寝言で叫ぶ宝玉。
「何が金玉の縁だコンチクショー! 俺には木石の縁しかねえっ!」

・襲人は奥方から昇級のお話を聞かされて、部屋に戻ってきた。宝玉は彼女が妾になったと知り有頂天。

・翌日、「牡丹亭」を読んでいた宝玉は、齢官(元春の帰省で呼ばれた十二人の女役者の一人)が「牡丹亭」をうまく歌えると聞いていたので、彼女を捜しに向かう。

・ところが、齢官は自室の寝床でぐったり休んでいる。宝玉は、彼女が先日(第三十回)「薔」の字を書き続けていた少女だと知ってびっくり仰天。

・そこへ賈薔がやってくる。彼は齢官を元気づけるために芸達者な小鳥を買い込んできたのだが、齢官はつれない態度。その様子を見た宝玉は、二人のただならぬ仲を感じ取り、一方で世の情縁のままならぬことを知るのだった。

・薛未亡人の誕生日が迫る一方、湘雲が実家へ帰ることに。しばしのお別れ。

次回を待て

小言
何と言っても面白いのが賈家の給料システム。奥方、妾、侍女、女房それぞれの身分に従って月々に決まった給料が支払われている。同じ侍女でもランクによって給与の差があったりと興味深い。もちろん、賈家のやり方が一般的なルールに則っていたのかは不明だが、こういう生活感を感じさせる場面が多いのも紅楼夢の魅力である。
宝玉が寝言で口にした金玉縁とは、宝釵の首飾りと宝玉の通霊宝玉について言及したもの。宝玉はそうしたアイテムによる縁結びを否定し、心が結びあう木石の縁を主張している。
また今回は、第三十回で登場した齢官についても詳しく触れられている。宝玉と襲人のように身分違いの恋を実らせる者もいれば、それが叶わない者もいる。脇の人物達にもきちっとした物語が構成されているのが素晴らしい。

気になる人物達
王熙鳳…賈家の財布事情は、奥様の権限のもと彼女が管理中。下の連中の悪口も何のその、強く逞しいお姉さん。しかし過激なやり口はやはり賛否両論。
王夫人…襲人が妾になったので昇給。給与システムに関しては熙鳳に任せっきりで、何もわかってなかったりする。
賈宝玉…寝言がダイレクトすぎ。
薛宝釵…いい子。襲人とは気が合うようだ。
花襲人…妾になったことで、ますます宝玉を教育する使命感に燃えている模様。
齢官…女役者。第二十二回で黛ちゃんと似ていると言及された子。歌が上手。賈薔とは身分違いの恋に悩んでいる。で、結局結ばれなかった。
賈薔…一族の若者。寧国邸の系列。賈珍からの覚えはいい模様。第十二回では賈蓉と組んで賈瑞をはめたりしていた。まあそんなわけで人格的には余り立派とは言い難い。まあ紅楼夢の男どもは大抵ダメンズなんだけども。
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C.O.M.M.E.N.T

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