2015_01
17
(Sat)23:50

紅楼夢 第四十二回

第四十二回 ウルトラ淑女・薛宝釵



・劉婆さんは板児とともに王煕鳳へ暇乞い。話が煕鳳の娘、大姐の病気のことになる。
劉婆さん「お嬢様のような方は、あんまり可愛がり過ぎるとものに耐える力が無くなるんですわ。これからは可愛がるのも控えめにした方がようございます」
煕鳳「そうするわ。そういえば、うちの娘にはまだ名前が無いんです。おばあ様がつけてくださる?」
劉婆さんは大姐が七月七日の生まれなので、「巧哥」と名付けてやる。煕鳳は大喜びで、平児にお土産を用意するよう命じる。劉婆さんはお土産の品目が読み上げられるたび、念仏を唱える始末。その日は泊まりにして、翌日出立することに。

・翌日、劉婆さんは史太君のもとへ暇乞いに。ちょうど医者が来ていたところだったが、格別重い病状でも無さそうなので、そのまま挨拶をして辞去する。鴛鴦らに見送られ、劉婆さんと板児はとうとう賈家を去るのだった。

・宝釵は史太君を見舞うと、黛玉を訪ねて問いただす。
「昨日の宴席(第四十回)で、牡丹亭や西廂記から言葉を引用していたでしょう?」
それを聞いて、黛玉もああ、と思い当たる。あの時は罰杯になるのが嫌で、咄嗟に小説から二句引いてしまったのだった。
黛玉「お姉さま、堪忍してよ。うっかり口にしちゃっただけなの」
宝釵「あら、私もあなたが引いてきた句がわからないから、教えて欲しいと言ってるだけなのよ?」
黛玉「もうお願いですから。二度と口にしませんから、ね?」
宝釵もからかうのをやめ、真顔で諭し始める。
「私も昔はやんちゃで、琵琶記だの西廂記だのといった本を内緒で読み漁っていたんです。後で怒られて、ようやく目が覚めたんですの。ああいうものに毒されるくらいなら、いっそ本なんか読まない方がマシです。男の人達は学問を学んで政治を行い、民を治めていくから、字は読まなきゃいけないけれど、それが小説の類に溺れるんじゃ本末転倒。商人でもやっていればいいってことになります。私達のような娘はなおさらで、針仕事や機織りの仕事に励んでいればいいのです。字を読めるに越したことはありませんけれど、雑書に心を乱されるんじゃ手の施しようも無くなりますわ」
黛玉は彼女の見識に、心中感服するのだった。

・そこへ、李紈の侍女・素雲がやってくる。稲香村にやってくると姉妹達が顔を揃えていた。何でも、賈惜春が劉婆さんの頼みで大観園の絵をかくことになってしまい、詩社を欠席しなければならないとのこと。黛玉はしきりにキツイ冗談を飛ばして、その場の一同を笑わせるのだった。←あんた、少し真面目に話しなさいよ。
宝釵が惜春のために半年の休みを設け、さらに宝玉を助手にするという提案を出す。さらに惜春は絵の道具に持ち合わせがないというので、これも用立ててやるのだった。

待て次回

小言
数回に渡って登場した劉婆さんといよいよお別れ。特に王煕鳳とはかなりいい関係に。ここで作った縁が、終盤の伏線になっている。
今回は薛宝釵の真骨頂とでもいうべき回。良識に溢れ、思いやりを惜しまないその姿にはファンならずとも眩しくなるはず。それまで喧嘩を売ってばかりだった黛玉も、この回あたりから宝釵を尊敬するようになっていく。また二人の話題のきっかけになった通俗小説の引用だが、これは第二十六回の解説でも述べた通り。良識ある人々の間では、西廂記や琵琶記など心を乱す悪書でしかないということが、改めて強調されている。とはいえ、曹雪芹自身はそれら通俗小説を堪能する宝玉や黛玉のことをありのままに書いており、それそのものに対して批判しているわけではない。曹雪芹の通俗小説に対する見解は後の回でもまた顔を出してくるので、その時に改めて語るとしましょう。

気になる人物達
劉婆さん…おいしい物を沢山食べて、お土産もどっさり。ほくほく顔で帰って行った。が、本人の知らないところで黛玉から「大食らい雌バッタ」の名前で呼ばれていた。
王煕鳳…すっかり劉婆さんのことを気に入ってしまう。年上ながら自分を持ち上げてくれる劉婆さんが嬉しくてならないのかもしれない。
大姐…劉婆さんから巧姐の名前を貰う。病弱で、誕生日も日柄が良くないが、劉婆さんはそれを逆手にとって巧の字をつけてあげた。
薛宝釵…今回の後半の主役。周囲に気配りが出来て、人並み外れた良識のある素敵なお姉様。落ち着きのある今とは違い、昔はやんちゃだったらしい。読書好きの祖父の存在や、絵画や筆法に関する知識など、それまで以上にキャラとしての底深さを見せつける。
林黛玉…宝釵に諭されて素直に感服する。毒舌ぶりは凄まじく、惜春や劉婆さんが気の毒。
史湘雲…黛玉の冗談に腹筋崩壊して、椅子から転げ落ちてしまう。可愛いやんちゃ娘。
賈惜春…史太君から絵を依頼されたが、風景だけじゃなくて人もしっかり書くんだよと言われ、大わらわになっている。かわゆす。
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C.O.M.M.E.N.T

史湘雲ちゃん♪

大幇会ではお疲れ様でした~(⌒▽⌒)
一番好きなのは薛寶釵ちゃんですが、次いで好きなのは史湘雲ちゃんです♪
家が貧しいので、いいお嫁さんになれそうwww(*^m^)

2016/11/18 (Fri) 00:10 | 忍豚 #mQop/nM. | URL | 編集 | 返信

Re: 史湘雲ちゃん♪

コメントありがとうございます~
薛宝釵は一見完璧なようでいて、意外と人間的な欠点も持ち合わせているのが面白いと思います。史湘雲はだれからも好かれそうなキャラですね~。お転婆なだけじゃなくて、学問の教養も持ち合わせているしっかり者だったりします。

2016/11/19 (Sat) 12:19 | 春秋梅菊 #- | URL | 編集 | 返信

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