第四十三回 誕生祝い? ノンノン、今日の予定は侍女のお参りネ!



・具合の良くなった史太君は、近づいている王煕鳳の誕生祝を盛大なものにしてやろうと王夫人に提案。さっそく家中の者を集めて相談。王煕鳳と仲良しの連中は純粋にこの企画を賛同し、煕鳳を嫌っている連中も、ご機嫌取りにいい機会だと考え、計画に乗る。皆で銭を分け合って出すことになったが、尤氏など一部の人間は不満顔。

・翌日、尤氏は煕鳳のもとへ出向き、勘定のことについて突っかかる。そして李紈のぶんだけお金が出されていない(煕鳳が未亡人の彼女のため、あらかじめ払わないよう分けておいた)のを知り、おかんむり。平児や鴛鴦、趙氏などの妾に対して、出して貰った金を返してしまうのだった。

・詩社の日になったが、宝玉は出かけてしまって参加せず。何でも友人が亡くなったからとのこと。探春が襲人を呼んでわけを聞くと、北静王のもとへうかがいに行ったらしい。一同も諦めをつけた。

・で、当の宝玉。実は北静王のところへなど行っていなかった。茗烟を連れて水仙庵に向かい、香炉を用意してお参りを始める。彼がこんなところへやってきたのは、亡くなった金釧児を弔うためだった。

・屋敷へ戻ってきた宝玉は、軒下で一人泣いている玉釧児を見つけて話しかける。
「ねえねえ、僕がどこに行ってたと思う?」
しかし玉釧児は相手にしない。宝玉は仕方なしに屋敷の中へ入って史太君らにご挨拶。宝玉は前述の嘘でごまかす。折しも、王煕鳳の誕生祝で「荊釵記」が上演中。そのブルーな内容に、皆は涙が止まらないのだった。

待て次回

小言
王煕鳳誕生祝の回・前編。賈家ではそれぞれが勝手に誕生祝をしていたのだが、史太君は王煕鳳がお気に入りなので、特別盛大に誕生祝をしてやることに決めたわけ。ところが、お金をみんなで出し合うなんて話になってしまったので、尤氏などのように煕鳳と仲良くない連中はイヤイヤ顔。家政を一手に引き受けている煕鳳だが、王夫人をはじめとする奥方連中、下でこきつかわれている古株の女房や下男たちには恨まれている。
後半は賈宝玉のお参りが描かれる。この九月二日は亡くなった金釧児の誕生日。そんなわけで彼はお参りに出かけたのだった。玉釧児が泣いていたのも同じ理由。
ちなみに、普段は寺やら尼に批判的な宝玉だが、それは彼らが金のためにやたらと寺を建てたりでっちあげの神様を祭ったりする俗物精神を嫌ってのこと。今回はお参りの都合に良かったので、水仙庵を利用したのだ。
ちなみに、本編の最後、王煕鳳の誕生祝で上演された「荊釵記」はいわゆる才子佳人ものの劇。南宋の詩人・王十朋がモデルになっているお話で、郷里に残した妻との離散・再会を描いている。


気になる人物達
王煕鳳…今回の主役。持ち前のトーク術で、皆から誕生祝の金を集めさせる。ちゃっかり仲の良い李紈にお金を出させなかったりしたので、尤氏からは恨みを買った。
史太君…王煕鳳びいきをするが、なんといっても賈家の頂点に君臨するグレートマザーなので、奥方たちも史太君の意向には逆らえない。
王夫人…ミス・イエスウーマン。史太君に対しては二言目に「仰せの通りに致しましょう」。善人に見えるけど、本心はどうなのやら。お金を出す時も、ちゃっかり少ない金額で済ませようとしている。
尤氏…賈珍の妻。煕鳳とは同輩にあたるわけだが、扱いの差に憤慨している模様。
賈宝玉…金釧児のとむらいは、彼女の死に対して何もしてやれなかったことに対する報いなのかもしれない。
茗烟…宝玉に仕える若党。主の無茶な要求に辟易したり、苦労続き。
玉釧児…姉の誕生日に、一人寂しく泣いていた。
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