2015_01
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(Sun)22:16

紅楼夢 第四十七回

第四十七回 まったくこの薛蟠め!
 

・皆が話しているところへ、のこのこやってきた邢夫人。これはまずいと、王夫人らはすみやかに広間を退散。邢夫人と二人きりになるや、史太君はガミガミ説教を始める。
「お前って女は旦那をきちんと説得することもせず、好き放題にさせているのかい」
「私も何度もお諫めしたのですが、聞き入れていただけず、やむなくこうなったわけで…」
「ほほう、じゃあお前、旦那に人殺しをしろと命じられたら、やむなくやっちまうのかい。とにかく旦那に伝えておくんだね。金ならいくらでも出すから、好きな子を買って部屋に入れるがいいとね。鴛鴦さえわしの手元に残してくれたら、それで孝行してくれたことになるし、お前たちも面倒が無いよ」

・邢夫人を放置プレイし、呼び戻した奥方や熙鳳と麻雀を始める史太君。

・平児が広間から出ようとすると、賈璉が入ってくるのにばったり出くわす。何でも史太君へお出かけの予定を聞きにきたらしい。今は機嫌が悪いから顔を出さない方がいいですよ、という平児に対し、そんな危険なはずがないと踏み込んでいく賈璉(アホ)。彼を見咎めた熙鳳は、咄嗟に出て行くよう目配せした。慌てて引っ込もうとする賈璉だが、史太君に見つかってしまう。またしても激怒。
史太君「お前、こそこそやってきてどうしたんだい」
賈璉「ええ、お婆様が麻雀をやっているので、邪魔をするのも悪いかと、家内を呼びだしてちょっと話をするつもりだったんですが」
史太君「どんな用事だって言うんだい! 嫁が帰宅してから聞けば良かろうが! お前みたいのは、趙二のかみさんとでも一緒に、嫁を亡き者にする相談でもしていればよい!」
鴛鴦「まあ、ご隠居様。趙二ではなくて鮑二ですわ」
史太君「そんな輩のことなんか、いちいち覚えていられるかね。わしは腹が立ってならないよ」
 史太君に叱られ、邢夫人と賈璉はすごすごと退散する。賈赦の鴛鴦お妾計画はこうして打ち砕かれたのであった。結局、賈赦は銀八百両で媛紅という娘を部屋に入れる。

・話かわって、史太君達は頼大の屋敷へ遊びに行く。そこにいた俳優の柳湘蓮に薛蟠はぞっこん。おええ。もちろん、とうの柳湘蓮はうんざり。難を避けるべく、仲の良い宝玉へ旅立つことを打ち明けた。

・しかし、何度もちょっかいを出してくる薛蟠に柳湘蓮も怒り顔。一つ思い知らせてやろうと、彼を誘いだして人のいない門外へ連れ出す。

・すっかり油断している薛蟠の隙をつき、いきなり彼を池へ突き落とす柳湘蓮。
「おいてめえ、俺に失礼なことしやがった礼をたっぷり返してやるぜ」
 鞭で打たれ、殴られ蹴られぼこぼこの薛蟠。
「ウワ~ン、骨が折れるよう! 君は真っ当な人だった、オイラが間違ってたんだ、許しておくれ!」
「許してほしいか。だったら、そこの水を飲め!」
 彼が指さしたのは、薛蟠が突き落とされた汚い池の水。良家のぼっちゃんな彼が、こんな屈辱に耐えられるはずがない。しかし柳湘蓮にすごまれ、泣く泣く汚水を飲む。

・さんざんいたぶられた薛蟠は賈蓉に救われる。薛未亡人と香菱はその無惨な有様に悲しんだが、宝釵はいい薬だと二人を慰める。薛蟠は柳湘蓮を捕まえろと喚いていたが、すでに彼は姿を消してしまっていたのだった。

待て次回

小言
鴛鴦のお妾騒動が一段落したのもつかの間、おバカ大将の薛蟠が騒ぎを起こして自爆。
ここ何回かで、王煕鳳をめぐる人々の人間関係がかなり丁寧に描写されている。史太君の声がかりで家を切り盛りしている王煕鳳だが、そのことは同世代や上の奥方に快く思われていない。気丈に振る舞ってはいるが、王煕鳳も鴛鴦と同じく、史太君という柱が無くては立場の危うい存在なのだ。

気になる人物達
史太君…お怒りはごもっとも。麻雀に興じるばーちゃんかわいいな!
賈赦…結局、鴛鴦を手に入れることは叶わず。代わりに買いあさった妾・媛紅は十七歳。この変態め。
邢夫人…ダメ夫の連れ合い。一つも擁護出来る要素が無い。
賈璉…修羅場にやってきて史太君の怒りを買うお馬鹿さん。ちなみに前の回でも書いたことだが、彼は賈赦と邢夫人の息子である。
薛蟠…後半の主役(?)柳湘蓮に懸想し、返り討ちにあう。ザマミロ。
薛未亡人…悪い人じゃないが、バカ息子には甘いようで。
薛宝釵…こちらは兄の愚かぶりを冷静に捉えていた。流石。
柳湘連…役者。宝玉とは腹を割って話せる関係。後の回でも度々登場し、物語の重要な役割を担う。
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C.O.M.M.E.N.T

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