2015_05
10
(Sun)22:45

紅楼夢 第六十二回

第六十二回 眠れる石の上の美少女


・柳のおかみさんが追い出されたので、その後釜を継いだ秦顕のかみさんは大喜び。あっちこっちへ進物を用意し、お祝いパーティーを開こうとしていた。
「今日からこの秦顕のかみさんが厨房のニューリーダーだ!」
 …と有頂天になっていた矢先、
「柳のかみさん無罪だったから役目も元に戻すわ」
という無情な知らせが。ざんねん、むねん、さらいねん。

・一方、盗んだ品物をかき集めていた趙氏、誰かが自分を糾弾するのではとビビる毎日(だったらやるなよ…)。そんなところへ報告にやってきた彩雲。
「みんな宝玉様が被ってくれたので、心配ありません」
 趙氏はほっとしたが、賈環がおさまらない。彩雲に向かって盗んだ品物を投げつける。
「ケッ、この浮気女! お前が宝玉と仲良しでなけりゃ、お前の罪を被ってくれるわけないだろ! 大体自分の責任で盗んだくせに、それを他人に話すなんてどういう神経してやがるんだ!」
 泣き出してしまう彩雲。もとは彼のために望まぬ窃盗をしたというのに…。趙氏が必死になぐさめる。
「いい子ね。この品物は私がしまっておきましょう。なに、あの子だって数日もすれば気が変わるでしょうよ」
 彩雲は耳を貸さず、盗んだ品物をこっそり包むと、園内の河へ投げ捨ててしまうのだった。

・宝玉の誕生日が近づいてきた。王夫人らが不在なので年々ほどの盛り上がりは無いものの、贈り物が次々と送られてくる。宝玉は屋敷中へ挨拶まわりに向かい、すっかりくたびれて部屋に帰ってくる。
 そんなところへ探春達がやってきた。飾りたてた姿の平児が、宝玉へ進み出て挨拶。何と平児も今日が誕生日だという。二人以外にも、薛宝琴、邢岫烟が同じ日の生まれ。せっかくだからみんなで集まってお祝いをしよう、ということに。

・紅香圃にて宴席を囲む兄弟姉妹と侍女達。酒令をしたりわいわい騒ぎながら時間を過ごす。

・そんな中、史湘雲は酔っぱらってしまい、園の裏手にある石ベンチの上にぐっすり。芍薬の花びらが彼女の体に舞い落ちている。侍女見習いに連れられてやってきた兄弟姉妹一同の前で、寝言を言い出す湘雲。
「杯ぃ~溢れる、琥珀の~光ぃ~、飲む手~休めちゃあダメよ~梅の枝にぃ~月かかるまで~酔っぱらって手を取り合って帰るのよ~家族友達ぃ~集まりマショ~」
 笑いながら湘雲を起こす一同なのだった。

・その後もめいめいに楽しむ兄弟姉妹達。宝琴と碁をしていた探春の前に、林之孝のかみさんが惜春の部屋勤めをしている侍女の母親を追い出したいという話を持ち込んでくる。探春は敢えてはっきり返事せず、奥方の帰りを待って処置するよう告げるのだった。

・部屋に戻った宝玉、侍女達と一緒に晩から飲み会をやることを提案。乗り気になる一同。
 一方、園内で遊んでいた香菱は、子役者達と草合わせで遊ぶ。しかし喧嘩になってしまい、香菱はおろしたてのスカートを汚されてしまう。そこへ宝玉がやってきた。スカートは宝釵からの贈り物で替えがない。宝玉は似たようなスカートを襲人が持っていたと思いだし、香菱のために取り替えてやるのだった。

小言
家庭内トラブルのお話も今回でようやく一段落。ちょっとした事件が連鎖的に続く展開は読んでいて非常に面白く、それに対する登場人物達の行動も個性が現れていて真に見事というほかない。こうした丁寧な人物描写こそ紅楼夢の真骨頂。
後半から新たに始まるのは宝玉お誕生日編。紅楼夢ではお誕生日があると何かと騒ぎになってしまうのが常だが、今回もその例に漏れず。詳しくは次回を待て。

気になる人物達
秦顕のかみさん…司棋の叔母。彼女が厨房のまとめ役になったと知った司棋は一緒になって喜んでいた。
賈環…変なプライドさえ捨てればかなりマシになると思うんだけどなあ。
趙氏…彩雲を慰めるポイントがズレてますよ…。
彩雲…報われない。もっといいオトコ探した方がいいよ。
賈宝玉…誕生日をみんなに祝って貰う。今回は挨拶周りでドタバタ。
薛宝琴…宝玉と一緒の誕生日。
邢岫烟…宝玉と一緒の誕生日。
平児…これまた宝玉と一緒の誕生日。晴れ着姿で現れた。
史湘雲…石ベンチで泥酔する場面はイラストなどでよく描かれる有名なシーン。超キュート。
林黛玉…宴会ではうっかり口を滑らせる。あんんたそういうのばっかりね。
探春…家政はしっかりこなしつつも、妾腹の立場だけに出しゃばりすぎないよう努力している。ストレスたまってそう。
襲人…宝玉曰く、酒が結構飲めるらしい。ちょっと意外。
香菱…出てくる度に気の毒な目に遭っている。
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