2015_05
17
(Sun)20:01

紅楼夢 第六十四回

第六十四回 息をするように、不倫


・賈敬の盛大な葬儀が開かれた。

・葬式から帰ってきた宝玉は、部屋から駆け出してきた芳官とぶつかる。そこへ怒気満面の晴雯が。
晴雯「このクソガキィ! 負けたくせに逃げんじゃないわよ。宝玉様はいないんだからね」
 と叫んだところに宝玉がいるので、晴雯は笑い出してしまう。
晴雯「まったくあんた、神通力でも使えるの? 宝玉様を呼び寄せちゃって」
 どうやら芳官、賭け遊びに負けて逃げ出してきた模様。部屋では侍女達が顔を揃えていた。が、襲人の姿が無い。晴雯に尋ねると、彼女はにやにやしながら答えた。
「あの方、最近禅学を始めて、奥にこもってますの。今頃は悟りを開いたんじゃありませんか」
 そこで宝玉が奥に向かうと、襲人は彼のために扇袋を作っているところだった。彼女の心遣いに感謝する宝玉。

・その後、煕鳳のお見舞いをして黛玉のところへ向かうと、彼女の表情には悲しみの跡が。慰めようとしていつものように失言してしまう。と、黛玉の机に何やら書き散らした紙が。ちょうど宝釵もやってきたので、黛玉は渋々打ち明ける。
黛玉「歴史に名前の出てくる女性達のことを詩に盛り込んでみたの」
 見れば西施や虞姫といった人物が読み込まれている。その出来栄えに宝玉も宝釵も絶賛した。

・ようやく帰ってきた史太君達。賈敬が死んだと聞いて悲しみに暮れる。寧国邸の一同は尤氏の老母に家のことを任せ、棺を送り出したのだった。その葬式行事のおかげで、賈璉はかねがね好意を抱いていた尤二姐・尤三姐の姉妹とお近づきになることに成功する。とりわけ尤二姐のしとやかな美しさに賈璉はぞっこん。

・そんなところへ、同じく尤姉妹に惚れている賈蓉がアドバイス。「こっそり妾にしちゃえば良くね? 手伝いますよ」
すっかりその気になる賈璉。実は尤二姐にはもう張華という婚約者がいるのだが、家は没落した貧乏人なので彼女も婚約に嫌気がさしていた。賈蓉は父の賈珍から了承を得ると、さっそく尤の老母へ話を持ちかける。
「最初は妾として外暮らしになるけど、すぐ正妻になおしますよ。璉おじさんの奥さんは病気で、あと一二年もしたら死にますから」
「璉おじさんはお宅の面倒を見る気満々ですよ。三叔母さん(尤三姐)の婚礼もまとめてあげます」
などなどあることないこと言いまくり、すっかり尤の老母をたらしこむ。

・二姐の許嫁である張華との婚約解消が済むと、あれこれ支度を整え、いよいよ尤二姐を迎える賈璉だった。

次回を待て

小言
今回からしばらく尤姉妹編がスタート。久々(?)に栄・寧両邸の堕落しきった男どもの姿が拝める。今回は清代の結婚事情などに関する描写も多く、なかなか勉強になる。婚礼というのは子孫を残すこと以外に、何かと金が絡む。そこのあたりの損得勘定の厳しさは、日本よりも大きいのではなかろうか。

気になる人物達
賈宝玉…黛ちゃんとの仲は相変わらず。思いやりはあるけど空回り。
林黛玉…歴史の女性達を詩に読み込む。例によって感傷的になった模様。
薛宝釵…女子は学識なんて見せびらかさない方がいいと、当時のもっともなご意見を述べる。はいはい、いい子いい子。
芳官…やっぱ役者やってたようなヤツは駄目だな。
晴雯…最近すっかり小姑キャラになっている。
賈璉…浮気カウント三回目。賈蓉の口先三寸で誘導されるあたり、学習能力が無いようだ。
賈蓉…二姐が賈璉のもとへ嫁げば、父の目を盗んで尤二姐とこっそりよろしくやれるだろうと考え、賈璉にお妾の話を持ち込む。なかなかの策士。つーかじいちゃんが死んだばかりなのに不謹慎な。
賈珍…色々思うところはあるんだろうけど、賈蓉の意見を承諾。
尤氏…尤二姐妾入れの話をまずいと思いつつも、何も言えない。
尤二姐…張華と結婚なんかしたくない…と思っていたところへ賈璉との話が舞い込んできたので、すっかり喜んでいる。
王煕鳳…病気療養中。良くなったり悪化したりを繰り返している。夫の陰謀にはまだ気づくはずも無く。
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