2015_05
18
(Mon)22:40

紅楼夢 第六十七回

第六十七回 贈り物は平等に


・三姐の死を嘆き悲しむ賈璉達。とりわけ薛未亡人の悲しみは大きい。息子の恩人に恩返しをしたかったのに…。そんな彼女を宝釵が慰める。
「これも全て前世からの運命です。死んでしまった方たちのために悲しんでも仕方ありません。それより、江南から仕入れた荷物も全部送られてきたことだし、番頭たちのねぎらいをしませんと」
 そこへ薛噃もやってくる。柳湘蓮の不可思議な失踪について語った後、薛噃の持ってきたお土産を賈家の一同へ贈ることに。宝釵は鶯児に命じて贈り物を姉妹達へ届けさせた。

・黛玉は宝釵の贈り物が故郷である江南の品々なので、父母のことなどに思い至りブルーな気持ち。紫鵑があれこれ慰めているところへ、宝玉もやってきた。宝玉も黛玉の気持ちを察し、心を尽くして冗談口を叩き、彼女の気持ちを晴らそうとするのだった。

・その頃、妾の趙氏は宝釵から賈環へ贈られた土産物を見てほくほく顔。
「やっぱり宝釵様は立派な方だわ。ちゃんと一軒一軒平等に贈り物をくださるんだもの。これがあの黛玉様なら…ケッ。あ、そうだ! この品物を使えば、奥様のご機嫌がとれるじゃないの!」
 そこで贈り物の中から適当に良さそうなものを王夫人へ持っていく。が、軽くあしらう王夫人。趙氏はプンスカしながら帰途につくのだった。

・鶯児は贈り物を配っている最中、王煕鳳のもとで何やら起こっているらしいと聞きつけて、それを宝釵に話す。が、宝釵は放っておきなさいと軽くあしらった。

・こちら宝玉、部屋に戻ってくると襲人がいないのに気がつく。何でも煕鳳の見舞いへ行ったのだとか。その襲人、煕鳳の部屋へは来たものの、様子が何やらおかしいので話も早々にその場を引き取っていた。

・王煕鳳を怒らせていたのは…他でもない、賈璉の浮気の件。下男たちの会話から、どうやら夫が外に女を囲っているらしいと突き止めた。ゴゴゴ…という効果音を背に下男の旺児を尋問する王煕鳳。どうやら秘密を握っているのは興児らしいと、すぐさま彼を呼び寄せる。興児は相手の剣幕にビビりまくり、聞かれるまま洗いざらい話しつくす。真実を知った王煕鳳は憤慨するのだった。
「はてさて、一体どうしてやろうかねェ…!」
 どうなる尤二姐! 待て次回!

小言
前回が色々と急展開だったので、今回はややまったり話が進む。薛一家によって、改めて尤三姐と柳湘蓮の悲哀がしのばれている。ちなみに、薛噃が持ってきたお土産は文房具や化粧品といった日用品のほか、蘇州産の玩具などが含まれていた。当時の江南は文化・経済の中心地なので、薛噃のお土産は賈家一同にとっても価値あるものだったに違いない。
後半はいよいよ(というか割とあっさり)王煕鳳が夫の浮気を突きとめてしまう。本当にこの尤姉妹篇は展開が速い。

気になる人物達
薛噃…我らがバカ大将。何だかんだで柳湘蓮とは義兄弟の関係だけあって、彼の失踪を悲しんだ。ちなみに宝釵が見つけた土産物の中には、泥で出来た薛噃フィギュアが入っていた。笑える。
薛宝釵…その妹。尤二姐の死や王煕鳳の異変に対しても「気にしてはいけない」「放っておきなさい」と他人事。あなた、そんなこと言うから冷たい人って思われるんやで…。処世術としては正しいんだろうけどさ。
薛未亡人…柳湘蓮のことと息子のことで悲喜こもごも、といったところか。
趙氏…お土産に対して感動するポイントがズレている。
林黛玉…故郷のお土産を見て鬱状態。いつものことですが。
王煕鳳…なんかもう…えっと、爆発寸前ってやつですね。
平児…主のどす黒い姿を強張った笑みで眺めることしかできない。
旺児・興児…賈璉の若党たち。口は災いの元ですな。
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C.O.M.M.E.N.T

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