2015_10
05
(Mon)00:30

紅楼夢 第八十八回

第八十八回 来~る、きっと来る~きっと来る~予兆は既に~



・賈惜春の部屋を鴛鴦が訪れる。何でも史太君の誕生祝のため、写経をお願いにきたのだった。快く引き受ける惜春。

・すごろくに興じていた史太君と李紈のもとへ、宝玉がやってくる。近頃は勉強もそこそこはかどっている模様。史太君は李紈の息子・賈蘭が幼いながらに進歩を見せていると聞き、李紈の亡くなった夫・賈珠の代わりに家を盛り立ててくれれば、とコメントするのだった。

・近頃、賈珍は栄国邸の家事を任されていたが、屋敷で不正をしている周瑞を取り締まることもしなければ、鮑二と周瑞の息子が喧嘩してもいい加減な対処しかない。屋敷の召使達は、そんな賈珍の陰口をあれこれ…。

・賈政の昇進以来、下々の人間も少なからずその恩恵を受けていた。まだおこぼれにありついていない賈芸は、早速王煕鳳のもとへ乗り込む。そんなところで、小紅と再会。かつての思い出を語り合う。
そして王煕鳳に贈り物を届けて直談判。しかし王煕鳳は、賈政の仕事は役所の管轄だから手を出せないし、屋敷内のことにしても若い人間に任せるのは不安がある、とお断り。そこへ巧姐が飾り立てた格好でやってきたが、賈芸を見るなり泣き出してしまう。今日はツイてないな、と退散する賈芸。小紅は彼が仕事にありつけなかったのを見て残念に思い、出口まで見送りに出て慰めるのだった。

・夕飯の支度を言いつけていた煕鳳のもとへ、平児が報告にやってきた。
「水月庵のお師匠様が、南方産の漬物をお求めですわ。なんでも出家した娘達(芳官らのこと)が毎日うるさくて、明かりを消さずにいるところ、ご自分で消しにかかったら、男女の幽霊に襲われたそうなんですの。それで体調が悪化し、食事もままならないそうで、お漬物をご所望だとか」
王煕鳳はそういうことならと、平児に手配させる。そんな矢先、表で侍女達がキャーキャー騒ぐ声。何かと思えばこっちも幽霊が出たと喚いている。王煕鳳もこれにはブチ切れ。
「このバカ! 私の前で幽霊の話なんかするんじゃないわよ。そんなものいるわけないんだから!」

・ところが、晩になって王煕鳳は酷い寒気に襲われてしまい、思わず平児と秋桐を呼んで世話をさせる。翌朝は体調も悪かったが、そこは生来の負けん気な性格で平気な振りをするのだった。

小言
久しぶりに王煕鳳が中心となって家政について語られる回。また、賈芸・小紅・娘役者・鮑二・秋桐のように、これまでサッパリ忘れられていたキャラクター達が再登場している。ファンなら要チェキ。しかし、再登場した人物の掘り下げは浅く、例えば賈芸と小紅の恋愛ストーリーもここでおしまいになってしまう。残念。
ちなみに今回起きた幽霊騒ぎは王煕鳳によって一蹴されるが、後の回になって本当に幽霊がぞくぞく現れるんだから笑えない。

気になる人物達
賈惜春…鴛鴦の依頼で写経を引き受ける。幼いとはいえそこは賈家の令嬢、教養があるのだ。
鴛鴦…史太君以外に仕えたい人はいない、とポロリ本音をこぼす。
史太君…誕生日を控えている。孫達の行く末が気がかりなご様子。
李紈…亡き夫の話題が出てきて涙を誘われる。
賈宝玉・賈環・賈蘭…史太君の孫達。賈環は相変わらずの駄目っぷり。賈蘭は史太君に見込みありと思われたのか、一緒に食事をしている描写がある。
賈珍…寧国邸のダメ男は栄国邸に来てもダメ男でした。栄国邸に来た理由は、賈璉が賈政の仕事についていったため、兄の彼が仕事を代行しているのだという説がある。
賈芸…一族の若者。二十四回以来、また仕事の口が無くなってしまったようで就職活動再開。残念ながら不採用に終わる。小紅には何だかんだまだ気がある様子。
小紅…かなり久々にまともな出番を与えられた。賈芸のこと心配する様子はもは恋人同前。可愛い。二人のエピソードは最後まできちんと書いてほしかったところ。曹雪芹の原案ではちゃんと添い遂げるらしい。
王煕鳳…賈珍と違い立派に仕事をこなす我らが若嫁。お化けなんかいねーよ!と豪語した矢先心霊現象に襲われる。まあ、あなた人に祟られるようなこと沢山やってますから。
巧姐…王煕鳳の娘。めかしこんで現れた。何故か賈芸を見て泣き出してしまう。これ実は、後の回の伏線という説も。
秋桐…これまた久々の登場。最近は大人しくなり、何だかんだ王煕鳳とはフツーにやっている。が、平児に比べたら当然寵愛は薄い。
平児…王煕鳳の頼れる右腕。誰とでも仲良くできる性格なので、秋桐とも普通に接しているのだろう。
芳官ほかもと子役者…出家したはいいものの、相変わらずうるさくしているようだ。水月庵に現れた男女の霊については不明。


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