第百五回 おきのどくですが かけ の ざいさん は きえてしまいました



・賈政の帰省を祝し、親戚友人を招いてさあ宴会、というところで突如趙という長官がやってくる。普段つきあいの無い人物の訪問に訝る一同。さらに続いて西平郡王のお越し。なんと栄国邸・寧国邸に天子からの沙汰がくだり、家宅捜索にやってきたのだという。兵卒がなだれ込み、賈家の門という門を塞いでしまった。

・趙長官は賈家の財産を差し押さえたくてうずうずしていた。が、乱入してきた北静郡王によって止められる。それでも、先走った兵卒によって禁制の品物や重利の借用書が寧国邸から見つかった。これでは罪は免れない。

・奥部屋で宴会を楽しもうとしていた史太君達。そんなところへ兵卒が押し寄せ、次々に部屋の中を荒らし始めたという知らせが。史太君や王煕鳳は突然の事態に気を失ってしまう。

・結局、賈赦は逮捕。寧国邸の財産は根こそぎ差し押さえになってしまった。さらに賈珍も賭博を開いていた件や尤二姐の件で役人に乗り込まれ、身柄を拘束された。絶望する賈政。そのうえ、史太君の具合が危ないという知らせが来て…。

次回を待て

小言
朝廷の家宅捜索により家の不正が暴かれる。危うく一家滅亡になりかけたが、二人の群王が介入したことで栄国邸は財産の没収をまぬがれている。曹雪芹の原案では家宅捜索で栄・寧両邸の財産差し押さえ、主要人物はみな牢獄行きだったらしいので、現行本がいかに緩い展開かがよくわかる。とはいえ、今回で賈家の屋台骨が大きく揺らいだことには変わりない。一族の暮らしはどんどん苦しくなっていく。
ちなみに中国の役人の差し押さえというのは、はっきり言って強盗同然である。下っ端の役人などは、上からの命令をいいことに家を荒らしまくり、金目の物をちゃっかり自分の懐へ入れたりする。今回の趙長官もそういう意味で差し押さえにノリノリだったというわけ。また封建時代の使用人は「物」扱いなので、当然没収される財産に含まれている。家畜のように部屋へ押し込められている様子はまさに奴隷そのもの。涙を禁じ得ない。

気になる人物達
賈政…久々に帰宅したら家財差し押さえです、なんて言われるんだからビックリでしょうな。
賈赦…今回の元凶。まあ自業自得か。
賈璉…家事の奥向きを担当していたのは熙鳳だが、こういう時に責任追及されるのはやっぱり殿方。
賈宝玉…家宅捜索に震えていた。おいしっかりしろ。
薛宝釵…さすがのスーパーヒロインも差し押さえには為すすべがなかった。
史太君…宴会を楽しもうとしていた矢先の悲劇。果たしてその運命は。
王熙鳳…高利貸しの証文が出てきてしまう。この回以降、どん底へ転落することに。
邢夫人…夫が逮捕、嫁は倒れるやらで完全に孤立。日頃他人を邪険にしていたので、誰も味方してくれない。まあ日頃の報いです。
西平郡王・北静郡王…賈家の救い主。彼らがいなければ本当に危ういところだった。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://ryunohige5884.blog.fc2.com/tb.php/213-c73bae31