第二回 宦官は消毒だ!

・董卓をコロス!と息巻く張飛をなだめる劉備と関羽。とりあえずあんな奴に仕えるのはやめようと、三人は同じく黄巾軍へ対抗している将軍・朱儁へ主を変えることにした。

・黄巾軍の首領である張兄弟への攻撃が続く。皇甫嵩とそれに率いられた曹操は張角・張梁を倒した。劉備は朱儁のもとで張宝と戦う。が、初戦は相手の妖術によって惨敗した。再戦では妖術対策を用い、相手を敗走させる。その後、一行は黄巾の残党征伐へ向かう。これには、各地で名を馳せていた勇将・孫堅も加わった。

・大勝利して帰還した一行。朱儁は劉備や孫堅の働きを報告したが、褒美を与えられたのは元々官職を持っていた孫堅だけ。劉備のもとには何もなし。チクショウ! そこで郎中の張鈞に自分の功績を訴える。

・張鈞は朝廷で権力を握っている宦官軍団・通称「十常侍」に褒美はきちんとあげようよ、と上奏。イラついた十常侍は張鈞を更迭。でも逆恨みされるのが怖いので、一応劉備にしょぼい役人職を与えてやる。

・張れて役人になった劉備は善政をしいて民の尊敬を集める。が、四か月もしないうちに朝廷の使者がやってきて、劉備を罷免にすると脅しをかける。
「なにが漢王室の末裔だァ? ああん? お前みたいな詐称野郎は罷免だぞぉ? それが嫌なら賄賂よこせよォ~」

・ブチ切れた張飛は宿舎へ乗り込んで使者をぼこぼこにする。駆けつけてきた劉備は張飛を叱ったものの、弟に説得されて官職を捨てる。その後、兄弟揃ってで代州へ向かった。

・ひとまず黄巾賊も静かになったので、十常侍は再び暴政開始。逆らう役人は全員罷免、人民からは取り立て放題。そんなことやっちゃったので再び各地で反乱が。最初は知らん顔していた十常侍だったが、忠臣が度々帝へ直訴したので、しゃーねーなァと腰を上げる。生意気な忠臣どもはこっそり謀殺しつつ、テキトーな者に命じて反乱を平定させる。この時、代州にいた劉備も功績をあげ、今度は平原県の県令に着任した。

・現皇帝・霊帝の病気が重くなり、朝廷で跡継ぎの話が持ち上がる。候補は二人おり、霊帝の外戚にあたる何進と大臣達は劉弁を、十常侍ら宦官一派は劉協をそれぞれ支持。しかし霊帝の亡くなった後、大臣の一人である袁紹が兵を動員して宦官一派を抑え込み、強引に幼い皇子・劉弁を皇帝として即位させる。

・皇帝はこっちの味方だし、この機に宦官どもをぶち殺そうぜ!と意気込む大臣たち。しかし十常侍は新皇帝の母・何皇后に取り入って何とか難を逃れようとする。何皇后の親戚である何進は、彼女に遠慮して宦官抹殺をためらう。ああでもないこうでもないと煮え切らぬ大臣達へ、一人の男が吐き捨てる。
「けっ。こんな簡単なことで大袈裟に騒ぎやがってよォ」
 その男は、他ならぬあの曹操である!
 果たして! 

小言
まだ二回目にも関わらず膨大な数の登場人物が登場するので、恐らく初読の人は混乱するだろう。中盤以降の宮廷闘争も前後の流れを把握するのが結構大変。上の物語紹介でもかなり割愛している。他にも官職や役職がわんさか出てくるが、これも結構いい加減な部分があるのであまり意識しない方がいい。特に通俗小説では読者にわかりやすくするためか、地名や役職や生活習俗は作品が書かれた時代のものに合わせていることが多い。日本の作品でも、例えば曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」は室町時代を舞台にしているのに、挿絵の登場人物達は江戸時代の装束をまとっている。
ちなみに序盤の黄巾軍討伐戦では妖術が登場する。史実重視の演義で妖術の類が用いられるのはどうなの?と思う方々もおられるだろうが、他の通俗小説に比べれば演義の描写は全然控えめな方である。

気になる英雄達
劉備…我らが英雄。黄巾賊討伐では無暗に敵を殺さず降伏を促そうとする場面も。通俗小説主人公らしい善人ぶり。今回をはじめ、あれこれ主や拠点を替えまくってなかなか落ち着くことがない。
張飛…討伐戦では敵の福将を打ち取り、その後兄貴に代わってむかつく役人を成敗。かなりおいしい活躍をしている。前回も触れたように、演義以前は張飛の活躍が多いので、その名残だろうか。
関羽…影薄し。とりあえず第五回の活躍を待て。
孫堅…ちゃっかり登場。孫氏の子孫にして堂々たる猛将。
朱儁…黄巾賊討伐に出ていた将軍の一人。劉備達が張宝の妖術に敗走した際、対策を与えたのもこの人。その妖術対抗法だが、獣の死体を戦場に置いておくだけ。そんなんでいいのか。
皇甫嵩…黄巾賊討伐に出ていた将軍の一人。曹操を配下に加え、張角と張梁を撃破する。名将なのだが出番に恵まれない。
董卓…盧植に代わって討伐に出ていたが連敗を喫し罷免。ありゃりゃ情けない。
張角・張宝・張梁…黄巾賊の首領たち。まるでいいところなく死亡。残党として趙弘、韓忠・孫仲なんてのが出てきたがこちらもあえなく撃破される。
霊帝…後漢の十二代目皇帝。まったくいいところが無く、読者に暗愚な印象を残したまま退場。
十常侍…宦官一派の総称。メンバーは張譲、趙忠、封諝、段珪、曹節、侯覧、蹇碩、程曠、夏惲、郭勝。皇帝の近くで仕えているのをいいことにやりたい放題。序盤屈指の悪玉だが、何となく印象の薄い連中。
何進…皇帝の外戚。もとの身分は低く、親戚の何皇后のおかげでのしあがった。大臣一派と共に宦官へ対抗しようとするが、残念なことにヘタレ。
袁紹…朝廷の大臣。宦官一派抹殺を目論み、積極的に動く。本格的な活躍はこれから。
曹操…ラストを飾った乱世の奸雄。劉備同様、着実に勢力を伸ばしつつある。


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