第十一回 徐州防衛大作戦


・陶謙の前に、補佐官である糜竺が進み出た。
「北海郡の孔融殿、青州の田楷、この両者に助けを求めれば、曹操に対抗出来ましょう」
 陶謙はこれを承諾。北海郡へ糜竺を、青州には陳登を向かわせ、自らは城の防備に務めた。

・孔融のもとへ到着した糜竺は早速曹操の脅威を知らせた。が、折しもそこへ黄巾族の残党である菅亥が襲来。軍を出撃させて迎え撃つ孔融だったが、敗北して城を包囲されてしまう。もはや糜竺の援助どころではない。

・孔融のピンチに、一人の男が駆けつけた。その名も太史慈。孔融は以前から彼の武勇を慕って生活を援助しており、その恩返しに来たのだった。とはいえ、菅亥の軍勢は多く、太史慈だけでは心許ない。孔融は英雄として名高い劉備に助けを求めることにした。太史慈は菅亥の囲みを切り抜け、劉備のもとへたどり着いた。

・太史慈の話を聞いた劉備は早速弟達と共に兵を率いて北海へ。菅亥は相手の勢力がしょぼいのを見てとり、一気に潰しにかかろうとしたが、関羽によって討たれてしまう。その後、劉備軍と陶謙軍に挟み撃ちをかけられ、賊は敗走した。

・一同は勝利を祝った後、糜竺の要請について話し合う。孔融は早速軍を整えて出発。劉備は自らの勢力が弱いため、公孫瓚のもとで趙雲と二千の兵を借り、孔融と合流した。

・孔融、劉備、そして陳登の連れてきた田楷の軍は徐州へ到達したが、曹操の軍勢に行く手を防がれ城へ入ることが出来ない。劉備は張飛と共に包囲を破り、何とか陶謙にまみえる。

・陶謙は劉備の優れた人格を見て、いきなり徐州を譲るなどと言い始める。劉備が固辞しても、なお聞かない陶謙。糜竺はひとまず曹操の打倒が先決ということで主を説得。来るべき戦いに備える。

・曹操の陣中へ劉備から書状が届く。
「どーも、曹操さん。お父さんが亡くなったのは張闓のせいで陶謙殿のせいじゃないんだぜ。今はまだ黄巾軍の残党もあちこちにいるし、朝廷は董卓の残りカスに支配されてる状態だ。私怨は後回しにして国のために頑張ろうぜ。そうすれば徐州だけじゃなくて、みんなもハッピーじゃないか」
 ブチ切れる曹操。
「劉備のヤロー、この俺様に指図する気か! 皆殺しにしてくれるわ!」
 郭嘉は主を諫めつつ、劉備を油断させて一気に城を落とすよう勧めた。そんな矢先、呂布が曹操の領地を次々に攻め落としているとの知らせ。仰天する曹操。郭嘉の案で、この場は劉備に恩を売って軍を引くことに。そしてすぐさま呂布の討伐へ向かうのだった。

・曹操撤退により、徐州では宴会が開かれる。陶謙は再び劉備へ徐州を譲ろうとする。関羽と張飛も兄を説得するが、それでも劉備は断った。諦めきれない陶謙は、劉備にせめて引き続き徐州へ留まって欲しいと頼む。劉備はこれを承諾。孔融、田楷、趙雲はそれぞれ兵を連れて徐州を去っていった。

・話は少し遡り、長安から逃げた呂布は袁術、袁紹、張楊、張邈と主をころころ変えていた。張邈は、自らのもとへやってきた陳宮より呂布の武勇を聞かされ、思い切って曹操の領地を襲ったのだった。
兗州にいた呂布は、曹操がやってくるのを聞き、自ら討って出ようとする。城の防備を薛蘭、李封の二将に任せようとしたが、陳宮に諫められる。
「あの二人は無能ですから、城を守り切れません。それよりも曹操の進路に伏兵をおいて、敵が通りがかったところを不意打ちするのがようございます」
 しかし、話を聞かない呂布。
「うるせぇ! 俺には俺の考えがあるんだよ! テメーの口出しは無用だ!」
 こちらは曹操。途中に難路があるのを見た郭嘉は、すかさず進言する。
「ご用心くだされ。敵はこのあたりに伏兵を敷いているはず」
 しかし、話を聞かない曹操。
「呂布みたいなバカに、伏兵を敷く知恵があるはずもない!」
 結局、真正面から対峙することになった両軍。
曹操「お前に恨まれる覚えは無いのに、何故俺様の国を奪ったのだ」
呂布「漢の国を誰が取ろうと構うまい! 貴様だけのものだとでも言うつもりか!」
 ぶつかる両軍。しかし呂布はやはり強く、曹操軍は敗北してしまう。
 陣に戻ると、于禁が一計を練った。
「西に防備の薄い砦があります。これを奪えば敵が狼狽するのは必定」
 曹操も賛成。すぐさま二万の歩兵と共に出発。
 呂布はといえば、勝利に気をよくして油断しまくり。しかし、陳宮が「西の砦を守るべき」と忠言したので、一応配下の高順を防衛に向かわせる。が、時既に遅く、曹操は砦を奪い取っていた。高順が奪い返そうと軍を進め、再び激戦が始まる。なかなか決着がつかないところへ、呂布の援軍が到着。曹操は砦を捨てて逃げようとするが、呂布配下の八将が四方から押し寄せ退路を奪う。曹操危うし、のところへ駆けつけたのは他ならぬ典韋。周囲の敵をたった一人で蹴散らして曹操を救い出す。が、窮地を脱したのもつかの間、呂布が追撃をかけてきた。
 果たして、曹操の命は!

小言
全編通してバトルの連続で非常に盛り上がる回。話のテンポも非常に良い。その一方、登場するキャラが多すぎるため、活躍に恵まれない者もチラホラ。印象深いのは強烈な個性を発揮した曹操と呂布、それと勇猛果敢な活躍を見せた典韋あたりだろうか。

気になる英雄達
劉備…孔融・田楷と共に曹操の横暴に対抗。別にそれほど人徳に優れた描写は無いような気もするが、もうそれが前提の話になってるからしょうがない。曹操に手紙を送る場面では「相手が和議に応じないようなら皆殺しにしましょう」なとという物騒な発言も。徐州のことはまるで興味無しだったが、趙雲と別れる時は涙を流した。こういうところが人に好かれるんだろう。
関羽…菅亥と一騎打ちをして、見事に討ち取る。
張飛…こちらは劉備と共に曹操軍の包囲を打ち破る。
趙雲…公孫さんのもとから劉備のご指名で出陣。が、その割にあんまり活躍しなかった。
陶謙…徐州の主。おろおろしてる印象しかない。劉備の人格に感銘を受けて徐州を譲ろうとする。人がいいんだか耄碌してるんだかようわからん。
糜竺…陶謙配下。冒頭で女色に惑わされなかったというエピソードが語られる。別に本編とはまるで関係ないけど。
孔融…北海郡の主。孔子の子孫でもある。彼を紹介するエピソードでは一休さんを彷彿とさせる頓知を披露。今回を発端に、曹操とは深い関わりを持つようになる。
田楷…青州の軍人。しかしまともな出番は今回きり。正史で徐州防衛に駆けつけているため登場させたのだろうが、殆ど活躍させて貰えなかった。
太史慈…東莱郡の勇士。母の面倒を孔融に見て貰った恩返しとして、彼の危機に駆けつける。たった一騎で菅亥軍の囲みを突破するなど、その実力は高い。が、後半は劉備達に出番を奪われて活躍せず。
菅亥…黄巾族の残党を率いる。が、この作品における黄巾軍はショッカー怪人程度のステータスしかないので、あっさり撃破されてしまう。
曹操…陶謙討伐は呂布の横槍によって中断。呂布が無策なのを見抜いていたが、正面から挑んだ結果あっさり敗北。あんた口ばっかりやんけ! 砦を奪ったかと思ったらまたしてもボコボコにされ「ヘルプミー!」と泣き叫んで逃げ回る始末。何とも情けない。しかし、危機に陥ってもしぶとく生き延びるところはいかにも通俗小説の悪役らしい。そして人の話を聞かない。
郭嘉…曹操軍参謀。知略に優れるが、あんまり話を聞いてもらえない。
于禁…徐州を包囲していたが、劉備と張飛に守りを突破されてしまう。呂布との戦いでも敗走。西の砦を奪うよう進言したのも彼だが、結果的に曹操軍は危機に陥ってしまう。まるでいいところが無い。
典韋…窮地に陥った曹操を救い出す。脇に抱えた数十本の短戟を次々に投げて敵を殺害し、さらに呂布配下の四将をたった一人で退けた。めちゃくちゃカッコいい。
荀彧、程昱…曹操配下。呂布の攻撃で次々に城が落ちていく中、計略で自分達の陣地を守り抜いた。有能。
呂布…長安から逃げ延びた後、何度も主を変える。もともとコミュ力が無いうえに傲慢なので、誰からも信用されない有様。戦闘では相変わらず無駄に強く、于禁や楽進、夏候惇を圧倒。そして人の話を聞かない。
張遼、臧覇、郝萌、曹性、成廉、魏続、宋憲、侯成…呂布配下の将軍達。八人揃って八健将とも呼ばれる。いずれもかなりの使い手。
高順…呂布配下。八健将には含まれないが、活躍は多い。
薛蘭、李封…陳宮曰く無能な二将。その実力のほどは後の回にて。
陳宮…主に恵まれない悲しい参謀。
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