第十二回 徐州あげます!



・絶体絶命の曹操。そこへ夏候惇が現れ、呂布の攻撃を必死に防ぐ。にわかに雨が降り出したので、両軍は陣地へ退いた。

・陳宮は呂布に一計を授ける。間者を使って曹操を濮陽の城に誘い込み、四方から火攻めにし、弱ったところを襲うのだ。呂布は珍しくこの案を素直に聞き入れた。

・こちら敗北にしょんぼりしていた曹操。奪われた領地から密使が来て「呂布さんの城ががら空きだよん」という知らせを受ける。チャンスとばかり、仲間を率いて攻め込む曹操。先鋒を務めた典韋が城を守る高順、侯成を撃破。敵がいなくなったところでさあ入城……ところが、中には人っ子一人いない。謀られたと思った時にはもう遅く、四方で火は燃えるやらあちこちから敵の伏兵が押し寄せるやらで曹操軍は大パニック。

・曹操は戦ううちに味方とはぐれ、一人になってしまう。そんな矢先、戟を手にした呂布がこちらへやってくるのを見つける。慌てて顔を隠す曹操。呂布は彼を見咎めて尋ねる。
呂布「おい、曹操はどこだ」
曹操「あっちの栗毛の馬に乗っているのが奴でございます(裏声)」
なんと呂布、まんまと芝居に騙されてそのまま去ってしまった。曹操も即座に逃げ出し、彼を探しに戻ってきた典韋と合流。典韋の助けで、曹操は何とか陣に戻ることが出来た。

・呂布にしてやられた曹操は早速反撃の計画を練る。自分が城内の火災で死んだというデマを流し、呂布をおびき出して捕らえるのだ。計画は早速実行に移された。呂布はあっさり引っかかり、四方から襲い掛かる曹操軍によって完膚なきまでに敗北。どうにか城へ逃げ込むと、ひたすら守りをかためた。折しも、その年は作物が不作で両軍兵糧が尽きてしまい、自然と休戦状態になったのだった。

・徐州の陶謙は病が重くなり、再び劉備に徐州を譲る旨を話す。劉備はあれこれ理由をつけて受けようとしなかったが、そんな彼の前で陶謙は亡くなってしまう。やむなく、劉備は徐州を治めることとなり、陶謙の葬式を執り行った。

・一方の曹操。劉備が何の苦労も無く徐州をゲットしたことに怒り心頭。
「おのれ劉備! 奴を血祭りにあげて、ついでに陶謙の墓もぶちまけてくれるわ!」
 それをなだめる荀彧。
「劉備は人民の支持を得て徐州をかたく守っております。これを破るのは困難でございましょう。それに呂布もいまだ健在でございます。ここは陳国へ軍を進めて兵糧を奪い、民と軍を養うのが得策かと」
 曹操はその案に賛成。すぐさま軍を連れて出立した。陳国には黄巾の残党である何儀・黄邵率いる賊がいたが、曹操軍の前にあっさり蹴散らされる。潰走する何儀の前に、一人の偉丈夫が現れ、賊を次々に捕らえる。偉丈夫の名は許褚。その実力を目の当たりにした曹操は彼とその仲間を配下に加えた。

・軍勢を整えた曹操は兗州を攻めてこれを奪還。さらに濮陽へと進軍。対する呂布は諸将が兵糧調達に出払っていて陣容整わない。陳宮は守りに徹すべきだと訴えたが、相変わらず話を聞かない呂布は出陣。無残にボロ負けし、僅かな味方と共に定陶県へ逃げ去った。曹操は前回の逆襲とばかり、さらに追撃をかける。呂布はことごとく曹操との戦いに敗れ、山東一帯の領土を失ってしまうのだった。

次回を待て

小言
曹操と呂布、一進一退の攻防が見物。勝敗の決定打は、呂布がことごとく間抜けな選択をしたことだが、それ以外に曹操軍の人材層が厚いのも大きな要因だろう。主を諫めつつ代替案を進言出来る荀彧、用心深い劉曄、ひたすら従順な郭嘉など、要所要所で的確な働きを見せている。曹操の強さは、こうした豊富な人材によって支えられているといっても過言ではない。

気になる英雄達
曹操…さすがに前回の件で反省したのか、今回は大人しく臣下の話に耳を傾けている。火攻めではかなりの重傷を負ったが、その後も割とぴんぴんしていた。第四回では陳宮にあっさり看破された子芝居も、今回は相手があのバカな呂布だったおかげで逃げ延びるのに成功。その後は頭が冴えたように連勝する。初期の曹操は馬鹿なんだか賢いんだかよくわからん。劉備が徐州の主になったのを聞いて激怒するなど、相変わらず奸雄イズム全開。
典韋…前回の活躍により昇格。そして今回も大活躍。まじかっけぇ。
許褚…曹操軍の新メンバー。典韋に勝るとも劣らぬ実力者。以前から黄巾賊に対抗していた。呂布との戦いでも早速その強さを見せつける。
夏候惇…曹操の窮地を救う。ナイスプレー。
李典…曹操配下。要所要所で登場し、小粒ながら活躍している。
呂布…曹操の嘘にあっさり騙され絶好のチャンスを逃す。な、なんて馬鹿なんだ……。その後も度々曹操の計略にかかり連敗。それでも一騎打ちでは典韋・許褚・夏候惇・夏侯淵・李典・楽進ら六人でやっと倒せるほどの実力。パワーバランスおかしすぎ。
薛蘭・李封…呂布配下の二将。要所であった兗州をあっさり奪われた。残念ながら無能でした。
陳宮…呂布へ健気に仕えているが全然報われない。
何儀・黄邵…黄巾賊の残党。例によってゴミのように蹴散らされる。まるで経験値を稼ぐために存在する雑魚キャラクターのよう。
劉備…ちゃっかり徐州をゲットするが、最後の最後まで固辞しようとした。水滸伝の宋江といい、通俗小説の主人公はこういうところで変な意地を張る。
陶謙…病でなくなる。享年六十三歳。よく考えたら大した活躍もしてないな。

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