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2017_07
03
(Mon)23:06

三国志演義 第十六回

第十六回 呂布「支援を約束したし兵糧まで貰っておいて言うのも何だが、今すぐこの徐州から出て行って貰おう!」

・袁術は邪魔な劉備を倒すべく軍を動かす。これを聞き、兵力に乏しい劉備は徐州の呂布へ助けを求めることに。

・こちらは呂布。先だって袁術から劉備を倒そうぜと持ち掛けられていたところに、とうの劉備から助けを頼まれる。袁術からは兵糧を貰っているし、さりとて劉備の頼みも断りにくい。陳宮と協議している間に、紀霊率いる袁術軍と劉備軍が睨み合い。

「待て。俺にいい考えがある」。何を思いついたのやら、呂布はいきなり劉備と紀霊を自軍の陣に招き、困惑する二人を前に堂々と言い放つ。
呂布「俺はもともと争いを好まぬ人間なのだ…」
劉備・綺麗「???」
呂布「ゆえに二人には仲良くして欲しい。ここは天意に全てを任せよう。俺が陣の百五十歩先に立てた戟の柄を矢で射貫けたら、お二方には戦をせずに引いて貰う。もし射貫けなかったら、その時は思う存分戦うがいい!」

あまりにも意味不明で身勝手な話に、唖然とする劉備・紀霊。
呂布はおかまいなしに矢を放ち、見事戟に当ててみせた。
当面の戦が回避できたので、とりあえずほっとする劉備。一方、やむなしと帰還する紀霊だった。

・しかし、これには袁術がぶち切れ。
「呂布のヤロー、兵糧まで届けてやったのに、ふざけたパフォーマンスで計画を台無しにするとは何様だ! こうなればわし自ら劉備と呂布を滅ぼしてくれる!」
ここで紀霊が進言。
「いえ、力づくとなれば呂布は強敵です。それよりも良い計略があります。呂布の正妻には一人娘がいるので、殿の若君と縁談を結んではいかがでしょう。これで両家が親しくなれば、呂布もおのずと劉備に距離を置くはず」
 袁術も大賛成。早速使者を飛ばすと、呂布もこの縁談にノリノリだった。陳宮は、袁術のような大家と関係を結べば他の諸侯の恨みを買うだろうから、支度を早めにしたほうがよいと助言。呂布もそれに従い、すぐさま娘を袁術のもとへ送ろうとする。

・ところが、道中で思いがけない事件が。嫁入り車が賑やかに城外へ出ていくのを見た陳珪(陳登の父。徐州が呂布に奪われた後、陳登は呂布に仕えている)は、一大事とばかり呂布に進言。
「袁術の縁談は、将軍を破滅に陥れる巧妙な罠ですぞ。縁談を結べば劉備殿を潰すきっかけになり、結ばなければそれを口実に戦を仕掛けてきましょう。迂闊に承知してはなりません」
真に受けた呂布は、すぐに娘を自分のもとへ連れ戻した。

・そんな矢先、部下に買い求めさせていた馬が奪われる事件が発生。聞けば犯人は張飛だった。怒り心頭の呂布はすぐさま軍を組織して劉備のもとへ攻め込む。張飛は悪びれずに戦いを挑んできた。劉備は奪った馬を返そうとしたが、呂布の怒りはおさまらない。ここで呂布と戦っても恐らく負けるだろう。劉備は小沛を捨て、曹操を頼ることにした。

・曹操は劉備を歓迎。荀彧・程昱は劉備を殺すべきと進言したが、一方の郭嘉は劉備こそ真の英雄であると説き、曹操もそれに賛同して劉備を自分のもとに留め置いた。

・曹操と劉備は呂布討伐の支度にいそしんでいたが、そんなところへ劉表と張繍が都へ攻め上ろうとしているとの知らせ。ひとまず呂布は後回し、曹操は十五万の軍を連れて張繍を迎え撃つことに。

・張繍は曹操の軍勢を見て早くも士気がくじけた。軍師の賈詡の意見で降伏することに。曹操は賈詡の潔さと弁舌巧みなところを気に入って登用しようとしたが、断られてしまう。
その後、連日酒宴でどんちゃん騒ぎをしていた曹操は、酒の肴に女が欲しくてたまらない。張繍の叔父の妻・鄒氏が美しいと耳にするや、彼女をそばに侍らせ連日お楽しみに。

・が、さすがにこの蛮行には張繍が黙っていない。賈詡と組んで密かに反乱計画を練る。曹操の首をとるには、彼の護衛をしている典韋が一番の難敵だ。そこでまず彼を酔い潰し、得物の戟を奪って一気に殺害することに。

・偽りの宴会に誘い出され、思うままに飲んで潰れてしまう典韋。突然、四方から火の手があがる。鄒氏といちゃついていた曹操は、慌てふためいて典韋を呼んだ。すぐさま目を覚ました典韋。しかし無数の敵が眼前に迫り、手元には戟も無い。それでも死にもの狂いに暴れまわり、門前で敵を食い止め、とうとう立ち往生して曹操の逃げる時間を稼いだのだった。

・曹操は何とか逃げ延び、部下と合流。途中、青州兵が占領下の人民に略奪を働いていたが、于禁の働きでこれを鎮める。陣を整えた曹操軍は張繍軍と激突。これを見事に打ち倒した。曹操はこの事件で甥と長男を失ったが、それ以上に典韋の喪失を悲しんだのだった。

・こちら呂布、玉璽を手にした袁術が皇位を得るつもりだと聞いて激怒。すぐに陳登を曹操のもとへ送って、自分を徐州の太守に任命するよう要求。しかし呂布を快く思っていない陳登は、密かに曹操と結託。曹操は陳親子に官位を与えて徐州に帰らせた。
呂布は戻ってきた陳登の報告を聞いて激怒。
「テメー、自分達だけ官職を貰ってくるとは俺様をなめてるのか!」
 しかし陳登は弁舌巧みに呂布の怒りをかわす。ころっと上機嫌になる呂布。ちょろい。
 そこへ、袁術の軍勢が進行してきた!
 そして!

小言
見どころ満載の回。しかし何といっても今回の目玉は呂布だろう。最初期のカッコよさは見る影もなく、もはや完全な道化キャラクターと化している。開口一番に「争いが嫌いだ」とのたまい、俺ルールで勝手に和睦を進め、かっこつけたパフォーマンスを成功させて一人ご満悦。そのうえ劉備へ「俺に感謝しろよ」と恩を強制するわ(裏切ったくせによくこんな言動を吐けるものだ)、ちゃっかり袁術の兵糧は懐へ入れるわ、いろいろぶっ飛びすぎ。こんな頭のねじが外れまくったキャラになると、誰が予想できただろうか。もう性格が悪いとかそういうレベルじゃない。欲望に忠実で子供のよう、とかいう形容でもまだ大人しいくらいだ。当時の民衆はこの回にどんな感想を抱いたのだろう。少なくとも私はこの回で毎回笑い転げている。日本だとやたらかっこよく描かれることの多い呂布だが、バカ全開な演義の呂布も、これはこれでいい感じ。
さて、後半は曹操のもとへ身を寄せる劉備のお話。第十回頃から、劉備はやたら周囲の人間に英雄英雄と持ち上げられているが、本編を読んでいればわかるように、強者のはざまをうろちょろしているだけで、実は大したこともやってない。にも拘わらずここまで評価されているのは、劉備が作中のヒーローであるという前提で物語が進行しているから。劉備は通俗古典小説でよく見られるタイプの主人公造形であり、別に何かするわけでもなく周囲の人間に慕われる(もちろん、前提条件として聖人君子らしい仁徳や思想は持ち合わせているけれど)。水滸伝の宋江などと同様、最初からヒーローとしてキャラが確立されているのだ。

気になる英雄達
呂布…いやあもう最高だよアンタ。まあ上では散々バカと書いてしまったけど、何だかんだ劉備と袁術の激突を避けたのは、呂布自身のためにも結構賢明な判断だったりする。あと、この時点で呂布には夫人が二人と側室が一人いる。側室というのは無論、第九回で手に入れた貂蝉のこと。しかし彼女については殆ど言及されていない。
劉備…呂布の陣に呼ばれた時は珍しくうろたえていた。さすがの劉備も呂布の斜め上すぎる思考にはついていけなかったか。
張飛…前回アニキに許して貰ったこともあり、ますます頑張る可愛い弟。呂布と単独で百合も渡り合う強さを見せた。
関羽…キャラとして動かしにくいのか、まるで目立たない武の神様。
袁術…呂布のふざけた行いに怒りたくなる気持ちはわかる。
紀霊…呂布軍の将軍。しかし殆ど活躍出来ず。
曹操…今や戦うまでもなく相手を降伏させるだけの軍団を有する実力者に。しかし調子に乗りすぎたのか、可愛がっていた典韋や家族を失ってしまう。しょんぼり。
荀彧・程昱・郭嘉…曹操軍の頼れる軍師達。郭嘉以外は劉備抹殺派。
典韋…曹操の頼れるボディガード。しかしこの回にて壮絶な戦死を遂げてしまう。登場以来立て続けに大活躍して目立っていただけに、唐突な死が悲しい。
于禁…略奪を働く青州兵をおさえつつ戦に貢献。曹操の評価もうなぎ上りに。
賈詡…曹操もその実力を認める優秀な軍師。
張繍…董卓の遺臣。曹操と敵対するもその勢力差にあっさり降伏。しかし傍若無人な相手の振る舞いに結局反逆を起こした。賈詡の助けもあってか、割といいところまで曹操を追いつめている。
陳登…徐州が呂布に占領されてからは、父とともに仕えている。が、本心では呂布を嫌っており、曹操と密かに繋がる。
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コメント

この回の呂布、弓のパフォーマンスは、平家物語の那須与一と同じくらいカッコイイはずなのに、どうも意味不明なんですね。やっぱり呂布って、笑えるキャラに設定されているんでしょうか? 日本の物語だったら、「めっぽう強いのに、あるじに恵まれない悲劇の武将」みたいな書かれ方をしたのかも? 

2017/07/24 (Mon) 21:10 | にしきの | 編集 | 返信

Re: タイトルなし

呂布は第五回まではかっこいいんですが、そこからどんどんギャグキャラクターに落ちぶれてますね。最期もみっともない感じですし。儒教思想に照らし合わせるとかなりあくどいことをやっているので(親殺しとか)、作り手も呂布をわざと情けない、道化のようなキャラクターとして書いているのかもしれません。

2017/07/27 (Thu) 00:45 | 春秋梅菊 | 編集 | 返信

京劇の呂布は、はじめのころは、裏声の美青年(!)だったそうですが、このへんに来ると、くまどりも、きっとギンギンで、悪役っぽいキャラみたいですね。私は観たことがないのですが、実際の京劇は、どんな扮装なんでしょう?

2017/07/27 (Thu) 10:58 | にしきの | 編集 | 返信

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