2017_12
03
(Sun)00:55

三国志演義 第二十五回

第二十五回 関羽「くっ、殺せ!」曹操「フッフッフ…そうはいかん」


・関羽を捕らえる程昱の計略とは以下である!
1、関羽を挑発して城から誘き出す。
2、関羽が十分城から離れたら、前後を挟んで帰れないようにする。
早速作戦実行。夏候惇の挑発で出陣してきた関羽は、ものの見事に計略へはまり、城から離れた禿げ山で孤立してしまう。にっちもさっちもいかなくなったところへ今度は張遼が登場。関羽へ降伏を勧める。もちろん、相手はおいそれと首を縦に振らない。
「わしは死地にあろうとも、主君を裏切ることはせぬ。こうなれば切り込んでいくまでだ」
「はっはっは。雲長殿。そんな犬死にをなさっては天下の笑い物。そのうえ三つの罪を犯すことになりますぞ」
「何だ、三つの罪とは」
「一つには義兄弟の誓いを全う出来ぬこと。二つには主君の夫人を路頭に迷わすこと。三つには漢室の安寧という目的を果たせなくなることでござる」
「ではどうしろと言うのだ」
「この場は我が主君に降伏し、そのうえで玄徳殿を探せばよろしい」
 しかし、関羽もただではオーケーしない。代わりに三つの条件を出した。
一、降ってもいいが自分が仕えるのは漢王朝だけ。
二、劉備の二人の夫人には誰も男を近づけない。
三、劉備の居所がわかり次第、曹操のもとを去る。

・戻ってきた張遼から三つの条件について聞いた曹操。
一つ目→漢王朝とはとどのつまりわしのことじゃ。オーケーオフコース。
二つ目→夫人の部屋に男を近づけないなんて、君子なら当たり前じゃろう。
三つ目→え…それじゃ降伏の意味なくね…?。な曹操だったが、張遼の「恩賞を沢山与えて厚遇すれば、劉備のことなんて忘れるでしょう」の言葉を聞いて受け入れることに。

・こうして曹操に降った関羽。曹操は相手の気を引こうと、あの手この手で猛烈にアプローチ。
金銀財宝を送る→受け取って貰えず劉備夫人のもとに。
十人の美女を送る→受け取って(ry
高価な上着をプレゼント→劉備から渡されたボロい上着の下に着込まれた。
お髭を入れる袋をプレゼント→特に感謝もされず。

・ある日、関羽の馬がやせているので、かつて呂布の乗っていた赤兎馬をプレゼント。すると、これまでの贈り物に淡泊な反応だった関羽は何度も曹操へお礼を述べてきた。
「そなたは美女や財宝より馬がいいというのか」
「いやぁ、この馬があれば、兄上の居所がわかった時にすぐ帰れますからね~」
いけしゃあしゃあとそんなことを言う関羽に、流石の曹操もげんなりしてしまう。

・曹操は張遼に命じて関羽の真意を探らせる。張遼の説得に対しても、関羽は全く心を動かさない。とはいえ、曹操の好意に対する恩返しをすることを約束するのだった。

・こちら、袁紹のもとへ身を寄せていた劉備。弟達の行方もわからず、妻子も曹操の手中にあり、欝々としていた。すると袁紹は、「ぽかぽかした季節になってきたし、そろそろ戦でも仕掛けるかぁ」などと呑気なことを言い出す。田豊が今はその機ではないと諫めるが、袁紹は逆切れして彼を処罰した。

・袁紹は軍を組織して曹操討伐に向かう。先鋒は顔良率いる十万の部隊。沮授は顔良の偏屈な気性を心配して袁紹に意見を述べたが、やはり聞いて貰えない。

・曹操は袁紹軍到来の知らせを受けると、十五万の軍勢で陣を構えた。小手調べに呂布の配下であった宋憲・魏続を顔良に差し向けるが、どちらも一撃で倒されてしまった。次いで挑んだ徐晃も、数十合で敗れてしまう。

・ここで程昱が提言。
「関羽ならば奴を倒せましょう。加えて、袁紹軍に劉備がいれば、関羽に手柄を立てさせることで連中を仲たがいさせることが出来ます」
曹操も賛成し、早速関羽を自分のそばへ呼び寄せた。関羽は彼の命を受けると、ただ一騎で顔良軍に突進。僅か一合でその首を斬り捨てた。

・曹操は関羽の技量を見て感嘆する。
関羽「それがしなど大したものではありません。弟の張飛なら百万の軍勢の中でも首を取ってまいりますぞ」
関羽の話を真に受けて、勝手にびびる曹操。兵士達に、着物の裏へ張飛の名前を書きつけておくよう命じる。

・さてこちらは袁紹軍。顔良があっさり殺されたのにすっかり動揺。知らせを伝えにきた兵士が言うには、なんと顔良を斬ったのは関羽とのこと。激怒する袁紹。
「おのれぇ劉備! おぬし敵に通じておったのかぁ!」
危うし、劉備! どうなる!


小言
待ちに待った関羽の主役回。地の文でも散々神様(原文では「関公」)呼ばわりされながら、これまで意外と地味な活躍しかしてこなかったこの男。今回はのっけから大活躍…と思いきや、いきなり敵の計略にはまる。な、情けない。降伏して捕虜になった後も、何かにつけてやたらと態度がデカい。そしてラストの見せ場である顔良戦。一見、関羽が僅か一撃で顔良を討ち取ったかのような描写だが、一部のバージョンでは顔良が自陣に近づいてきた関羽を味方だと勘違いして油断したため、あっさり斬られたという酷いオチがついている。というわけで、せっかくの主役回にも関わらず、妙にかっこよくなりきれない武の神様なのでした。

気になる英雄達
関羽…何ともまあ微妙な活躍ぶり。彼を中心に話が動いているのは確かだけど。最も彼を英雄たらしめているのは、その強さより劉備に対する並々ならぬ忠義心だろう。当時の儒教社会における観念と照らし合わせれば、なおのこと彼のヒーローぶりが際立つ。
曹操…関羽にほれ込んで沢山プレゼントを贈るが、あえなく袖にされる。残念。わしが漢王朝じゃ、の発言は当時の儒教社会じゃ主君をないがしろにした暴言だろう。ちなみに張飛の名を聞いて恐れるくだり、実は後の展開の伏線になっているともいえる。
程昱…関羽捕獲の功績者その一。その後も顔良に関羽を差し向けてみせたり、かなりいい仕事をしている。
張遼…関羽捕獲の功績者その二。なかなか弁舌巧みな人物だったことが判明する。ついでに曹操の恋愛相談役。武力もかなりのはずだが、顔良戦では出番が与えられなかった。
夏侯惇・徐晃・許褚…それぞれ対関羽戦で活躍。徐晃は顔良戦でも登場したが、かませ扱いに。
劉備…ぼっち状態の主人公。袁紹のこともあんまり頼もしく思っていないようだ。
袁紹…なんていうかもう、負けが見えまくってますね。
田豊…袁紹配下。讒言したらあっさり獄行き。優秀な軍師であっても実力を発揮する場がなかった。
沮授…袁紹配下。優秀な軍師であっても(ry
顔良…袁紹軍大将。曹操軍の武将を立て続けに破った猛者。が、関羽の主役補正の前に惨敗した。
魏続・宋憲…もと呂布配下・八健将の生き残りコンビ。かませ犬として見事に散る。
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