2014_09
30
(Tue)00:00

紅楼夢 第二十一回

第二十一回 駄目な主にゃ困ったものよ


・賈宝玉、朝早くに黛玉の部屋へ。きちんと布団を被って眠っている黛玉に対し、凄まじい寝相の湘雲。

・目覚めた黛玉達は朝支度を始める。侍女の翠縷が使い終わった洗顔のお湯を捨てに行こうとすると、宝玉はそれを引き留め、なんと使用済みの湯で洗顔を始める(宝玉は朝支度せずに出てきたのだ)。侍女の紫鵑が石鹸を持ってきたが、お湯に溶けてる分があるからいらないよ、と断る。これには侍女二人もどん引き。
 その後、宝玉は史湘雲におねだり。
「僕の髪を結ってよう」
 もう礼節をわきまえない子供時代とは違うのに……。結局、何度もねだられた湘雲は髪を結ってやる。宝玉が化粧台の口紅を食べようとしたので、ぴしりと手を叩いて一言。
「まったく、まだそんな悪い癖残してるのね!」
 そこへ、若様を追ってきた襲人が到着。けしからんことにお嬢様に朝支度をして貰っている。しおしおと宝玉の部屋に戻った彼女のところへ、宝釵がやってきた。襲人の話を聞いて、なかなか見識のある侍女だと認識する宝釵。そこへ帰ってきた宝玉。襲人がすねているので戸惑ってしまう。
「若様にはお世話をしてくれる方がいらっしゃるんですから、私なんか必要ないのでしょう」
 冷たい襲人に対して憤慨する宝玉。たまたま読んだ「荘子」を真似て自分の思いを書き散らしたりする。襲人の代わりに、侍女見習いの四児という子がまめまめしく仕えた。しばらくして、主従はようやく仲直り。

・話は代わって、王熙鳳の娘、巧姐(大姐)が病気に。回復までの間、夫の賈璉は妻と別居することになった。熙鳳らが娘の治療におおわらわの一方、賈璉は絶賛浮気中

・ようやく巧姐が回復した後、平児は賈璉の浮気相手、多姐の髪を発見。危うく浮気がばれそうになったが、隙をついて平児から髪を奪い、事なき(?)を得たのだった。

次回を待て

小言
前回に引き続き日常パート。史湘雲の個性がたっぷり描かれている。宝玉は相変わらずといったところ、こちらも襲人とのやり取りが微笑ましい。
後半は王煕鳳の家庭事情が描かれる。外で辣腕を振るう彼女は、内でも怖い奥様なのでした。というか、賈璉が勝手に罪作りな真似をしてビビってるだけか。

ダメンズとヒロイン達
賈宝玉…前々回に襲人と交わした約束はすっかり忘れ去られた模様。
史湘雲…無邪気で子供っぽい部分は残っているものの、流石は紅楼夢ヒロインだけあって、知的で分別のあるところを見せた。
林黛玉…宝玉が「荘士」に触発されて書いた文章があんまりな内容なので、批評を書いてあげた。お茶目。
紫鵑…黛玉の侍女。第三回で史太君から与えられた鸚哥が改名した、ということになっているが諸説ある。第八回にも名前のみ登場。彼女の魅力が発揮されるのはまだ先のこと。
賈璉…栄国邸賈赦の息子にして王熙鳳の夫。妻と共に家政を取り仕切る(といっても、動いているのは殆ど熙鳳の方)。一応、同知という官職もある。本作に登場する多くの男どもの例に漏れず、駄目っぷりを見せつけてくれる。第二回では賈赦の長男と紹介されているが、地の文や他キャラからの呼称は「璉二爺(二番若旦那様)」になっている。理由は諸説ありはっきりしない。
王熙鳳…で、その妻。娘の看病で大忙し。原文での呼称は夫に合わせて「璉二奶奶(二番若奥様)」。娘はいるものの、当時の男尊女卑社会においては、家の後継ぎとなる男児を生むことが重要だった。王熙鳳が家の切り盛りに精を出し権威を振りかざすのも、男児がいない後ろめたさの裏返しなのかも。
平児…初登場は第六回。賢くて頼りになる王煕鳳の侍女で、実家の王家からついてきた。賈璉の妾でもあるが、それは浮気防止のためと、王煕鳳が妻としての株を上げるためにしたこと(この時代、妾を夫に与えることが女性の美徳の一つだった)。そうした事情を平児も心得ているようで、賈璉と寝ることも殆ど無い。
賈巧児…大姐とも呼ばれる。この回だとまだまだ赤ん坊そのものだが、後四十回では明らかに十歳以上の子供として描写されているなど、年齢がはっきりしない。
スポンサーサイト

C.O.M.M.E.N.T

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック