2014_11
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(Wed)00:19

紅楼夢 第二十九回

第二十九回 これが若さってやつか


・宝釵に見とれていたのを黛玉に見られてばつの悪い宝玉。うむ、これは恥ずかしい。

・史太君はじめ、皆で法要へ行くことに。賈家の人間がオールスターで参加。

・お寺では張道士が皆を出迎える。テキトーに近況を語り合った後、宝玉の通霊宝玉を見せて貰ってありがたがる道士。
その後、皆で芝居観賞。宝玉は張道士の贈り物の中に小さな金色の麒麟を見つける。
宝玉「おばあさま、これなんでしたっけ?」
史太君「そういえば、どこかで見たことあるねえ」
宝釵「湘雲ちゃんの提げていたものと同じですよ。少しサイズが小さめですけど」
史太君「あー、そうだったねえ」
宝玉「湘雲ちゃんは長いことうちへ泊まってるのに、僕は気がつかなかったなあ」
探春「宝釵姉さまは細心な方だから、何でも覚えてらっしゃるのね」
ここで黛玉が冷ややかなコメント。「宝釵お姉さまは、他のことならどーでもいいんでしょうけど、人の提げているようなグッズとなると、よく覚えていらっしゃるのよ」←前回、宝玉の通霊宝玉と宝釵の金の首飾りが好一対だと話題が出たことに対してのあてこすり。とっさに横を向いて聞こえない振りをする宝釵。お前ら…。
宝玉は麒麟を懐に入れたが、誰かから「湘雲さんが持っているから、宝玉さんも麒麟を欲しがったのよ」なんて思われるのではないかと、ちょっぴり不安。そこで黛玉に
「黛ちゃん、これあげるよ」
「はあ? そんなもの珍しくないし」
「あっ、そう? じゃあ僕がもらっちゃお~」
 作戦通り!

・翌日、宝玉は張道士から縁談の話を持ち出されて気分が悪かったので、芝居見物をやめて黛玉の部屋に。ちょうど病気で寝込んでいた黛玉は、彼を気遣って芝居を見てくるように言う。が、宝玉はかえってイライラ。
宝玉「(なんだい、僕はきみといたいのに、君はあの張クソ道士のところへ僕を行かせるきなのか)。どうやら、僕は君をみそこなっていたみたいですね」
黛玉「あら、お気の毒さま。だって私、誰かさんとつり合いになれるようなグッズを持ってないし」
宝玉「ひどいな、君は。つい昨日正直な気持ちを打ち明けたばかりなのに。また誓いを立てろって?」
黛玉は自分が言い過ぎたと後悔したものの、ツンの気質が邪魔をして弁解しない。
お互いが本音を話せないまま、心理フェイズが展開。
(他の連中ならまだしも、どうして君が僕の気持ちをわかってくれないんだ)
(私が少し嫌みをいっただけでいちいちムキになるなんて。あなたが泰然と受け流してくれればすむ話でしょう)
(くそ、僕は君が気の済むようにしてくれたら何でもいいんだ)
(あなたはあなたの望むようにしてくれればいいのよ)
 心の奥底では誰よりもわかりあっているはずなのに…。悔しくなった宝玉は、いさかいのもとになっている通霊玉を地面へ叩きつける。が、この手のアイテムはダイヤモンドよりも頑丈なのが常。投げつけても傷一つ無い。これを見た黛玉は泣きだした挙げ句、飲んだ薬を嘔吐する。襲人と紫鵑がそれぞれの主を必死になだめていたところへ、史太君が到着。宝玉達が泣いているのを見て、侍女二人を厳しく叱責。

・後日、宝玉も黛玉もしょんぼりムードをひきずっていた。襲人は黛玉へ謝るよう主にすすめるのだった。

小言
前回と今回で、賈宝玉と林黛玉のままならぬ恋がいかなるものかを詳しく描いている。以後、二人の恋愛模様が物語の中核となっていく。黛玉を愛おしみながらも、封建社会から外れすぎた思想や周囲の邪魔によって彼女に近づけない宝玉。誰よりも素直でいたいと思いつつも、自分の学んできた礼節と、両親のいない孤独な立場のせいで正直な気持ちを打ち明けられない黛玉。さらに薛宝釵や王夫人、襲人など、一見模範的に見える人々の行動が、カップルの恋愛をことごとく阻んでいく。
ちなみに、今回登場した金の麒麟も紅楼夢縁結びアイテムの一つ。詳しくは三十一回で説明しよう、フッフッフ。

気になる人物達
賈宝玉…我らが主人公。肝心なところで黛玉に気持ちを伝えられない。
林黛玉…我らがヒロイン。病弱でヒステリック。こういう子は現代でも男どもを泣かせる気がしないでもない。
薛宝釵…物わかりが良すぎるヒロインその2。いい子なんだけど、立場上悪役にしかなってない。
史太君…賈家のグレートマザー。芝居見物の場面では、賑やかな演目の後に暗い内容の演目が出たので興ざめする。このシーンは暗に賈家の未来を暗示したもの。
襲人・紫鵑…主達が喧嘩したため、史太君にこってり絞られる。可哀想に。
その他侍女軍団…史太君の法要へ主達と一緒に参加。中にはここでしか登場しない侍女も。
賈珍…第十三回でやらかしたエロ親父。今回は忙しく働いていた。
賈蓉…珍の息子。他の者たちとサボっていたところを親父に叱られる。後の場面では後妻と共に登場。いつ結婚したのやら。
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C.O.M.M.E.N.T

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